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Ⅱ.ワルプルギスの夜
彼女は数年ぶりに魔女集会であるワルプルギスの夜に参加した。
行けば馴染みの魔女達が近寄って話しかけてきた。
「久しぶりじゃない。何してたの?」
特に何も。
隠居した老いぼれの様な生活をしていると言えば同胞がケラケラと笑う。
「相変わらずのんびりしてるわね」
「二百年前とは大違い」
二百年前、まだ人間がいた時代に人間と魔族が戦争を起こした。
それに彼女も前線で戦った。
元々攻撃に特化した魔法を使っていた為に軍に大きな貢献ができた。
人間から覇権を奪い、人間を絶滅させた後に魔王に「何か欲しい褒美はあるか?」と、聞かれたので
「静かな森で自由な隠居生活を送りたい」と、素直に答えると笑われた。
彼女の望み通り、争い事が起きても彼女には徴収命令を出さない事を魔王は約束してくれた。
おかげで魔女集会も強制ではなく好きな時に参加する様になった。
久方振りの宴に参加し、同胞達と飲み食いをし情報を交換する。
「最近小間使い雇ったの?」
「あぁ、ヒヨっ子もヒヨっ子。片付けも全然なっちゃいないからこの間なんて「煮て食ってやろうか?」って言ったら泣いちゃったわ」
「その小間使いいくつ?」
「四歳」
幼児を小間使いにするなと怒られた。
「いいのよ。衣食住与えてやってんだから」
役に立たなけれは捨てると言えばもう捨てられるのは嫌だとばかりに一生懸命掃除をするが、空回りをして余計に部屋を汚す事なんて日常茶飯事だ。
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魔女の家に居候をして三ヶ月。
千明は言いつけを守って部屋の片付けをしていた。
しかし、片付けようにも薬草やら何やらが無造作に置かれ魔術本や魔符がバラバラに散らばっている。
魔符を片付ける時などは間に別紙を挟まなければ魔符同士が反応して何かを召喚したり何かが飛んできたり何処かに飛ばされたりするから要注意。
実際に無造作に集めた時に謝ってキメラを呼び出してしまい、家の中がとんでもない事になった。
後で魔女に怒られた。
そして魔女がいない時にやらかしたのは
家の中が花畑になった事である。
勿論、集会から戻って来た魔女に怒られた。
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