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「なんで? ああ、イっちゃうからか」
くすくすという笑い声が、足の間から聞こえる。彼が言った通りで、そして恥ずかしすぎて、うなずくこともできない。
「イけばいいだろ。ほら」
執拗に吸われるたびに、強烈な快感が襲いかかってくる。理性はその強い波に今にもさらわれそうだ。目の奥が震えて、点滅する星が見えた。
「あっ、も、うっ…………あ、あぁぁ!」
激しく全身を震わせて、絶頂にたどり着いた。
シーツを握りしめたまま荒い息をついている間に、倫之が、どこからか取り出した箱を開けている。
──どうやら買ってきたばかりらしく、包装のビニールをぽいと床に投げ捨てるのが見えた。
「部屋、散らかさないでよ……」
「後で捨てるから」
短く言いながら、彼は準備を済ませた。思わず視線を動かした拍子に、ソレが目に入った。……意外と大きい。
ちょっと怖じ気づいてしまうが、今さら逃げるわけにもいかない──それに、怖いよりも期待の方が勝っていた。
潤った入口に、膜を着けた硬いモノが宛がわれる。
「いいか?」
「うん」
私の返事の後、先端が、つぷりと埋められる。
やっぱり、今までの人より大きいかも……考えているうちにも、愛液を纏わせながら、膣壁を擦り上げるようにして、倫之が入ってくる。
中をいっぱいいっぱいにされる感覚が、少しだけ苦しい。
……だけど、それ以上に嬉しい。
一番奥に、彼の切っ先が当たるのがわかった。
「入った」
ふーっと息を吐きながら、倫之がつぶやく。何かに耐えるように眉根を寄せて。
「どうかし……」
「──めちゃくちゃ気持ちいい、由梨の中」
「え?」
「ほんとに、すげえ気持ちいい。どうしよう」
「どうしようって」
「優しくできないかもしれない」
若干苦しそうに、それでいて甘い声で言う倫之に、心臓と体の奥がきゅうっと締まる。う、と短く呻く声が聞こえた。
「いいよ、ちょっとぐらい乱暴でも」
「馬鹿、そんなこと言うな。我慢できなくなるだろ」
「だって」
「優しくしたいんだよ、……好きだから」
「──え」
「由梨がずっと好きだった。そう見られてないのわかってたから、言えなかったけど──付き合おうって言った時、いつか芝居じゃなくて本当になればいいって、思ってた」
こんな時に言うことじゃないけど、と倫之は苦笑いを浮かべる。
胸がいっぱいになって、思わず彼に抱きついた。
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