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「うちは、こうやって『インフルエンサー』を募集していますが、全国のスタッフにも声をかけています。ただあまりなりたい人もいないんですよねぇ。東京近辺での勤務は避けられないもんですから。全国で五人です。しかも関東の人だけですね。若い人はやっぱり結婚退社が希望の方もおりますので」
「そうでしたか!」
意外に少ないことに驚愕する。ライバルは少ないのも良いことだ。インフルエンサーになってからフォロワーが増え、服の売り上げが伸びるとまた給料にも反映してくるという訳だ。なんて夢のある仕事だろうと目を輝かせている中、女性社員のほうがやや厳しめな視線を向けた。
「フォロワーを五百人増やすことが、大前提です。少ないと思われるかもしれませんが、五百人増やすことは、簡単ではありません。三日に一度は商品を着て投稿してもらいます。こまめに映えるカフェでのランチや、スイーツなどを載せるのも手です。貴女のことを『推し』だと言ってくれる人を沢山作って下さい。それと売り上げノルマもあります。一か月で二十着服を売って下さい」
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