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私たちは、練習を続けた。
内藤さんの家の近くでやることもあれば、オンラインでやることもあるし皆でバンドを成長させていった。
今度の目標は、来年のあの舞台で入賞すること。
それまでは地道に活動して実力をつけるようにした。
私たちは、市民祭りなどで発表していった。
お客様は少ないが、気にしない。
楽しんでくれる誰かがいてくれることが私の喜びだ。
しかし今日は人が多い。
私たちは、ショッピングモールのアマチュアバンド発表会に来ている。10組限定でステージで発表ができるイベントだが、たまたま川上さんが抽選で当てたのだ。
私たちはステージに立った。
満員だった。立って見ている人もいる。
私たちは、自分の全てをステージにぶつけた。
帰宅してから、娘が奇声を発した。
「ギャー。」
「どうしたの。」
私はゴキブリでも出たのかと思い、ゴキブリに効くスプレーを持ってリビングの娘のもとに向った。
「お母さん、たいへんなことになってるよ。
お母さんのバンド、SNSでバスってるよ。」
なんのことだかわからずぽかんとしている私に娘が状況を伝えた。
どうもショッピングモールのパフォーマンスをSNSに投稿した人がいて、それがかなりバスっているらしいのだ。
私たちは、まだまだ羽ばたけるのだ。
年齢なんて関係ない。
更年期も悪くない。
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