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私の身体は弱くなった。
パートや練習を頑張り過ぎたのだろうか。
今日は久々に身体が動かない。
パートも休んだ。
家のベッドで只々天井を見つめていると、先行きの不安で涙が出てしまう。
今日はバンドの練習の日だと言うのに行くことができない。私は自分の弱さにまた涙を流す。
スマホの着信がきた。
高階さんからだ。
「山田さん、光は見えにくいだけで消えてはいないよ。だから今は休んで。」
川上さんからもメールが届いた。
「私も薬飲みまくってるよ。だからってわけじゃないけど、一人で戦わなくて良いんだよ。」
「私ドラム担当だから、主人に頼んでトレーナーさんに身体の管理をしてもらってるんだけど、やっぱりダメなときは寝ている。
でも気持ちは負けたくないから、ロックを聴いているの。」
上越さんは強い人だ。見た目の華奢な感じと反対の生活をしている。
「We are rock star。
山田さん、光を感じて。あなたはロックで自分や皆を幸せにできるよ。」
私は自分のネガティブな思考を吹き飛ばすように、
ルナシーのROSIERを歌った。
最初は、小さい声で。
だんだんと声を出して。
楽しい気持ちは、身体の不調をかき消していく。
私は、少し前を向けた気がしてきた。
私は、布団から起き上がり掃除をした。
部屋をきれいにして、洗濯物を片付ける。
当たり前の日常は、どれだけ当たり前ではない日常なのかを考えさせられた。
身体が動くとは、実に素晴らしい。
私は、あれこれ好きな歌を歌いながら光を見つめていった。
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