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 本当はこの場で、美月の裸体を見ながら自慰行為をしたい思いが強かったのだが、さすがに天井裏でそこまで「体を動かす」のは、気付かれる危険が高過ぎると思われた。なので悠人は左手で口を塞ぎ、右手で硬直した股間を押さえるという、やや不自然な体勢になりながらも、浴室の中から目を離すことは出来なかった。  そしてバスタブから上がった美月は、洗い場の壁にある鏡の前に立った。すると美月は鏡の前で、両手を腰に当てるなど、幾つかの「ポーズ」を取り始めた。それは恐らく、成人女性と変わらぬほど発育し、生まれ持ったものに加えて自身の努力の甲斐もあって、スタイルを保持してきた自分の体を鏡で見るのが、美月にとっては「至高の瞬間」だったのかもしれない。  幾つかのポーズを取ったあと、美月は自身の両手のひらを、軽く乳房の下からあてがい。それから少し、両手で「揉む」ような動きをした。これも恐らくは、自分の乳房の「弾力」を確かめるための動きだったのかもしれないが。それを見ていた悠人は、まるで姉が自身の胸を揉んで、自慰行為を始めたかのように思え。股間にあてがっていた右手で思わず、固くなった性器を揉んでしまった。  そのわずかな動きだけで、悠人は射精まで達した。同時に口から声が漏れそうになり、口を塞いでいた指を「ガブリ」と噛んで耐え忍んだ。美月は最後に、もう一度シャワーで身体を軽く洗い流すと、脱衣所へと移動した。  しかし、浴室の上で「イッてしまった」悠人は、脱衣所まで美月を追うことなく。美月が脱衣所を出て少ししてから、ようやく体を動かし、物入れ部屋まで戻った。戻ったところでまた美月の身体を思い出し、その場で2度目の自慰行為を始めた。    家族からスルーされ、完全なる引きこもり生活を手にし、部屋の中で好きなだけ、昆虫の標本を作ることも出来て。おまけにこうして、思う存分「女性の裸」を間近で見ることが出来る。全てが、自分の理想とする形で進んでいる。悠人は次第に、自分の思うようにならないことはないのでは、とまで考え始めるようになっていった。
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