12月21日

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 今度は紺野の方が目を丸くする番だった。 「……え? ちょっと、瑞希さん……大丈夫ですか?」 慌てて立ちあがり、瑞希のそばに駆け寄る。 「なんか、怖がらせちゃったんでしょうか。すみません、おかしな態度をとってしまって……」  それでも瑞希は肩を震わせて泣き続けている。紺野はおろおろした様子で必死にとりなそうとした。 「僕、あんなことは絶対にしてほしくなかったので、……いやな態度をとってしまったことは謝ります。本当にすみませんでした。だから、あの、お願いですから、そんなに、泣かないでください……」  それでも下を向いて肩を震わせ続けている瑞希の様子に、紺野が途方に暮れたような表情をうかべた、その時だった。 「ぶっ……」  うつむいていた瑞希が、突然ふき出した。  紺野は目を丸くして瑞希を見やる。 「あっははは……!」  泣いていたはずの瑞希が突然腹を抱えて笑い出したので、紺野はあっけにとられたように口を開けて瑞希を見つめた。 「あはは……ああ、おっかしい。あんた、マジでヤバイって」  大笑いしている瑞希を見て、紺野はほっとしたような、困ったような表情で笑った。  瑞希は、泣いた涙か、笑った涙かよくわからない涙を拭くと、紺野に向き直り、小さく頭を下げた。 「さっきは、ごめんね」  紺野はホッとしたような顔で(かぶり)を振ると、自分も頭を下げた。 「僕の方こそ、すみませんでした」
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