12月21日

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「いくら何でも……一晩ずっとは、きつい、です」 「は?」  聞き返したが、紺野はそれ以上何も言えず、真っ赤になって下を向いている。そんな紺野をあっけにとられたように見つめていた瑞希だったが、やがて思いきり吹き出した。 「マジで? つか、あんた、あたしに興味ない訳じゃないんだ?」  紺野はますます真っ赤になって下を向いている。そんな紺野を指さして、瑞希はしばらくの間、腹を抱えて笑っていた。 「あーもう、マジでヤバすぎ……涙出た」  瑞希はやっとのことで笑いをおさめると、にっこり笑ってこう言った。 「分かった。じゃさ、今日は昨日と交代ってことにしよ。あんたが布団で、あたしが台所。その代わり、暖房は来るようにして。それでいいよね?」  紺野は目を丸くして首をぶんぶん振った。 「そんな、ダメです。お客さんを台所に寝かせるなんて」  その言いように、瑞希はまたぷっと吹き出した。 「あたしは客じゃないよ。あたしは、そう……居候ってやつ? 気にしなくていいよ。あたしは風邪ひいてないし、元気だから」  そう言うと瑞希は、まだ何か言いたげな紺野を強引に布団に押し倒すと、その上に問答無用で布団をかぶせた。 「おやすみ、……えっと、紺野くんでいい? 呼び方」  紺野が戸惑いながらもうなずくと、瑞希はにっこり笑った。 「じゃ、おやすみ、紺野くん。明日は、熱が下がってるといいね」  そう言い残すと、瑞希は紺野の返事を待たずに居間の明かりを消した。
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