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12月22日
12月22日(月)
翌朝。例によって早起きの紺野が洗濯やら何やらごそごそはじめたので、瑞希も自然に目が覚めた。
携帯も持っておらずやることもないので早く寝るしかなかった瑞希も、その音で自然に目が覚めたのだ。
見ると、紺野がかけていたはずの布団が、瑞希にかけられている。瑞希は起き上がってあたりを見回した。程なく、ベランダで洗濯物を干している紺野の後ろ姿が目に入った。
「おはよー、紺野くん」
瑞希が寝ぼけ眼で声をかけると、紺野は笑顔で振り返った。
「おはようございます、瑞希さん」
紺野は最後の洗濯物を干し終えると、かごを持って中に入ってきた。
「すぐに朝食の支度をしますから」
「あ、ありがと……てか、もう大丈夫なの?」
瑞希の言葉に、奥に行きかけた紺野は振り返って、笑った。
「おかげさまで、今朝は三十六度三分でした」
紺野は洗面所にかごを置いてくると、冷蔵庫を開けて食材を取り出し始める。瑞希は慌てて毛布を畳んでしまうと、顔を洗いに洗面所に入った。
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