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白い部屋 - 1 -
白い部屋。
天井も白、壁も白、俺が寝ているベッドのシーツも白。真っ白な部屋で、照明器具がないのに淡い明かりが部屋中を照らす。
(えっ! ここはどこだ?)
記憶を辿る。
俺はエルに会い、どこかに行こうと誘われ一緒に歩いていた。その途中でヤバそうな輩に絡まれ腹を刺された。うん、全部覚えてるな。
手で腹をさするが痛みはない。上半身を起こし、そこを見るが出血もしていないし、服に汚れも破れもない。
(どういうことだ、俺は死んだ?)
そのままベッドに腰かけぼ~っとしていると、目の前にモヤモヤとした煙のようなものが出てきた。
(なんだ、なんだ?)
その煙は徐々に形を成し人の姿になった。いや、それは人ではない。顔中にヒゲを蓄え、ゆったりとした白装束に身を包んだ姿は『神様』そのもの。
「まさか、神様?」
「そうだ」
俺の問い掛けに、神様(?)は低い声で答えた。
(やっぱり俺は死んだんだ。ここは天国? でも思っていたのと違う)
俺の心の中の疑問に答えるように神様は言う。
「平均、お前は生きておる。ここは天国ではない」
俺の名前もご存じなのね、さすが神様。でも、どういうこと? 意味がわからない。あっ、エルはどうなった。無事だったのか?
「お前にはちとすまないことをした。それも含めて説明しよう」
「そんなことより、エルは、エルは大丈夫だったんですか?」
神様は俺のほうをじっと見つめ豪快に笑った。
「ガハハハ、お前は面白い人間だな。エルとはこの者のことか?」
そう言うと、俺と神様の間にまた煙のようなものが現れ、しばらくするとその煙は『エル』になった。
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