レイジ 天使に再会

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レイジ 天使に再会

どうしたらエルに会えるのかなんてわからない。仮に会えたとしても、俺のことなんて覚えていないかもしれないし、話ができるとは限らない。もしかしたら他の誰かと一緒かもしれない。 それでもやっぱり彼女に会いたい、せめて見るだけでもいい。そんな気持ちを抑えることができなくなったまま日曜日を迎えた。 万に一つ、いや億に一つかもしれないが可能性に賭けてみよう。俺はダメ元で先週のコーヒーショップに行くことにした。念のため時間も先週と同じ頃にした。 (俺、少しオカシイ? ストーカーの入り口に立ってる? いや純愛だ) 駅に向かう電車の中でいろんな思いが渦巻くが全否定。 店に着いて、気合を入れてドアを開けた。 店に入って中を見渡すと、奥の席のほうに、絶対に忘れられない天使のような美少女が座っていた。 (お母さん、この世に奇跡ってあるんだよ) さすがにガッツポーズはしなかったものの、思わず拳を強く握りしめてしまった。さて、ここからどうしよう。衝動的にここへ来てしまった感もあるが、あまり女性経験が豊富でない俺はここでフリーズしてしまった。 すると、伏し目がちだった顔がこちらを向いて、俺を発見。 ななな、なんと!! 最初は少し驚いたような表情をしたが、すぐに微笑み、小さく手を振っている。 (大丈夫、俺に手を振っている。だって目が合ってるもんね) (神様、奇跡を起こしてくれてありがとう) ここまでしてもらえれば後は俺だってできるもん。エルのいる席まで行って話しかければいいのさ。 「均さん、先日はありがとうございました」 俺が話しかける前に、エルのほうが立ち上がり先にお礼を言ってきた。 しか~も、俺の名前まで覚えてるってどうよ! 「こ、こ、こ、こちらこそ」 おどおどする俺に、信じられない言葉が聞こえてきた。 「ご迷惑でなければ、今日も少しお話していただけませんか?」 堕ちた、堕ちた、堕ちた。完全に堕ちた。 (ばあちゃん、天国(そっち)の様子もこんな感じかい?)
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