嘘の行方

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
「嘘をつくことは、良くないことだ」と幼い頃から教わった。 それでも私は、嘘をつくことが多かった。 中学生の時、友達に「好きな人がいる?」と聞かれた時、私は自分が好きな人の名前を教えることができず、別の名前を挙げた。 高校生になっても、自分の気持ちを隠して嘘をつくことが多かった。 大学生になって初めて、自分の本当の気持ちを打ち明ける勇気を持った。 友達に、自分が同性愛者だということを話した。 友達は驚いたが、受け止めてくれた。 それ以来、自分自身に嘘をつかず、本当の自分で生きていくことを決めた。 だが、ある日、私の前に、かつての友達が現れた。 彼女は、私が同性愛者であることを知っていた。 「あの時、嘘をついたことを謝りたかった。でも、言い出せなかったんだ」と彼女は言った。 私は彼女に対して、憎しみを抱いていた。 彼女が嘘をついたことが、私にとって大きな傷となっていたからだ。 だが、彼女が謝る姿を見て、私の心が変わった。 私自身も、多くの嘘をついてきたことを思い出し、彼女を許すことができた。 私たちは、嘘をつくことが悪いことであることを知っている。 だが、時には、嘘をつくことが必要になることもある。 大切なのは、嘘をついたことを後悔し、自分自身に嘘をつかず、正直に生きることだ。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!