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「うわっ!アンさんジョシュアさん死んでますよ!」
予想通りの最悪な結果が見えた瞬間に僕は叫んだ。
腐ったり、虫が湧いたりはしていないものの、白目を剥いて硬直しているジョシュアさんの遺体が、とある部屋のドアを塞ぐように倒れ込んでいた。
「あぁやっぱり。処置をして差し上げないと……」
「分かってます。車に防腐剤とか積んでましたっけ?」
「可哀そうに。お一人で亡くなられるなんて……」
「あっアンさんダメです。アンさんだろうと触っちゃ駄目!僕がやるんで離れててください」
「でも可哀想だわ」
「お祈りなんて最後でいいから!」
アンさんが遺体を前に、室内をきょろきょろと見渡す。
荒れた家だ。大量の洗濯物が雑に干してあったし、ごみもたくさんまとめられていた。
「……、物がやけに多いわね。もう1人誰かいるような……そんな感じ」
「え? ジョシュアさんって一人暮らしでしょ。誰がいるんですか?」
「……スバル!ジョシュアさんのご遺体をそのドアの前からどけて!早く!嫌な予感がするの!」
僕はアンさんの指示に従い、一度車に戻ってから手袋をはめるとジョシュアさんの遺体を引きずってドアの前からどかした。太った肉が邪魔をしていて開かなかったドアの鍵を開けると、うっとするような嫌な予感が僕たちを襲った。
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