1 お人好しの末路

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1 お人好しの末路

私はお人好しだったのかもしれない。 中学時代からの親友だったから、信頼していた。 だから、借金の連帯保証人にもなった。 だけど… その友達は夜逃げした… ヤクザの借金取りがやって来て言った。 「こっちはねぇ、もう随分待っているんですよ? 100万円、今ここできっちり払ってもらおうじゃねーか!」 ヤクザは息巻く。 「お、お、お支払いは必ずします。 でも、今銀行から下ろしても70万円しか無いんです…! だから、あと少し…」 私はヤクザにビビりながらも、そう言った。 「何をお花畑の中みたいな事言ってるの? 俺たちはなぁ、お人好しの金取りじゃねーんだよ! なぁ、夏野さん。 70万円しか無いなら、残りは身体で払っちゃどうだい? と言ってもエロい意味じゃない。 臓器売買してさ。 なぁに、腎臓なんて2つあるんだから、1つくらい無くたって死にゃあしないさ。 ねっ?」 ヤクザは気味の悪い笑顔でそう言った。 私は銀座に向かって走り出した。 ヤクザが後ろから追ってくる。 クネクネした裏路地を曲がり、銀座のGUCCIにたどり着いた。 でも、ヤクザはもう… 私の真後ろに… 私はその時! GUCCIから出て来た男の人の腕を掴んだ。 そして叫ぶように言った。 「私の処女30万円で買って下さい!」 男の人は目を白黒させている。 それはそうだ。 買い物を終えて店から出たら、見知らぬ女が処女を買ってくれ、と言うのだ。 「おいっ! 捕まえろ!」 ヤクザは言い、私に3人がかりで飛びかかってくる。 もうダメだわ…! そう思った時… 「待て。 30万円払えば良いのか?」 その男性は言った。 「おいおいおい、いくら金持ちでも、いきなり30万円も…」 そうヤクザが言った瞬間、男性は財布から札束を取り出した。 「100万円ある。 釣りはいらない。 その代わりその娘はもらう。」 男性は言った。 私は安心したとのと、走って酸欠だったので、気を失いかけた。 男性が私を抱き上げ、待たせていた車に乗せた。 こうして、ここから私と彼の物語は始まるのだった。
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