2.もう言ってもいい?

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「……っ」 愕然としたまま、ふるふると震えて懐くんを見上げた。 しかし懐くんは、そんな私とは裏腹に――。 「今日、一緒帰れる?」 なんて、マイペース! 「ま、まずはちゃんと訂正を……! あれじゃあ、私の“声”が好きなんじゃなく、私の“こと”が好きだって勘違いを……っ」 「勘違いじゃなくない?」 「………………………、へ?」 「てか、勘違いでもどうでもよくない?」 「!?」 「好きなことに変わりない」 「……ッ!?!?」 そう言って、スマートに王子様スマイル。 腕を組んで、小首を傾げて。 主語なんてどうでもいいって、本当にそんな顔をしている。 この人は、絶対。 人の心をかき乱す天才だ。 それをそれを天然にやってのけるから大問題。 教室の真ん中で、フリーズする私を余所に、懐くんはチャキくんに聞いた。 「ここらへんで買い物って、みんなどこ行くの?」 喧噪はもうしばらく、収まりそうになかった。
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