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「おまっ、何すんだよっ!」
「モラルの欠片もないね。登録者数増やしたいなら、俺が出てやろうか?」
「――!」
ぐうの音も出ない正論。
観衆が「かっこいい」「素敵」と感動して、手を叩きだした。
「――っ」
そんな現状に、男たちが下唇を噛んだ。
「訴えてやるからな!」
「勝てるのなら」
「っ!!」
そして、自分のスマホを探すため、駅から出て行った。
拍手喝采、歓迎ムード。
「あんたもよく頑張ったね!」
だなんて、さっきのおばさんに肩を叩かれ、私も一躍時の人。
「写真撮ってもらえませんか!?」
「お名前は!?」
が、しかし。
彼はもっと上の人。
雲の上の人って感じ?
囲まれているらしい(もうすでに人混みで見えない)彼の方を見て、数回瞬きをし、本当は私ももう少し話がしたかったけれど、状況がそれを許さなかった。
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