1.ボイスな出会い

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「おまっ、何すんだよっ!」 「モラルの欠片もないね。登録者数増やしたいなら、俺が出てやろうか?」 「――!」 ぐうの音も出ない正論。 観衆が「かっこいい」「素敵」と感動して、手を叩きだした。 「――っ」 そんな現状に、男たちが下唇を噛んだ。 「訴えてやるからな!」 「勝てるのなら」 「っ!!」 そして、自分のスマホを探すため、駅から出て行った。 拍手喝采、歓迎ムード。 「あんたもよく頑張ったね!」 だなんて、さっきのおばさんに肩を叩かれ、私も一躍時の人。 「写真撮ってもらえませんか!?」 「お名前は!?」 が、しかし。 彼はもっと上の人。 雲の上の人って感じ? 囲まれているらしい(もうすでに人混みで見えない)彼の方を見て、数回瞬きをし、本当は私ももう少し話がしたかったけれど、状況がそれを許さなかった。
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