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「…………………………、」
!?
しかし。
予定は未定で終わった今。
転ばなかった私の身体は、何かに支えられて、今も膝を少し付いただけで尻も丸見えにならずにいる。
「――大丈夫?」
「!?」
支えたその腕。
視界に入った明るい髪色。
キャップが外れて、露わになったその顔立ちは………。
私のトキだけでなく、その場にいた全ての人間のトキを止めていた。
(モノホンの王子様……っ)
出てくる単語がいちいち昭和。
だけど人間、本当に驚くと、奇想天外な感想が飛び出るもんだ。
「う、嘘だろ、起きた!?」
「マジで!?」
「――、」
後ろの二人が一番驚いている。
(この人たち、グルじゃなかったのか……!?)
「あれ? 寝てた? 俺」
「!」
そう言って、周囲を見渡すマイペースな彼。
「もう起きられる?」と訊ねられて、私は飛ぶように立ち上がった。
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