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「す、すみませんっ! 転んでしまって!」
「ううん、助かったよ。一度寝ると、なかなか起きられなくて」
(!?)
それは、つまり……。
「あの人たちと、グルだったわけでは、なく……?」
なんて、馬鹿正直に訊ねてしまった。
「――、」
と、彼の視線が二人組に移り、たったそれだけの仕草に観衆が「はぁ」と甘いため息を零した。
「ちょっと待ってて」
「え、」
その一瞬でこの状況を把握したのか、彼が立ち上がり、彼らに近づいた。
そして――。
「わっ、何すん――」
彼らが叫ぶのも半分で、取り上げたスマホ。
そしてそれをそのまま――。
(フライアウェイ……)
またも昭和!?なノリで出てきた単語が、線路の向こうの土手に飛んでいったスマホを見送った。
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