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「決めた!買う本一冊だけにするわ」
「そうし、そうし」
しゃがんで、床に置いてるカゴの中から【はずんで♥️LOVEボール⚾️】を取り出した。
「お母ちゃん。お願いがあるんやけど、この本レジで買ってきてくれる?ほんで、カバー着けてもらってくれる?」
「えっ?ミキはその間どうしてるん?」
「カゴの中の本、元の場所に戻しとこうと思って」
「あー、そっか…分かった。買ってくるわ」
「ありがとう!はい、この本な!」
と言って、お母ちゃんに本を渡しながら伝える。
「図書券の入った封筒、カバンの底に入ってるし!」
本の表紙を見て固まるお母ちゃん。
「えらい可愛らしい本やん。ちょっとレジに持っていくの恥ずかしいわ」
「大丈夫や!誰もそんなん見てへんって!」
「ほんまに?誰かに見られて…あのオバハンなんちゅう本買っとんねん?…って、思われへん?」
「大丈夫、大丈夫!かわいいおばちゃんや~ん💓って、思われるって!」
「エッ?そ、そうかな?」
「絶対そうやって~!」
(お母ちゃんゴメン!多分、お母ちゃんが思った方が正しい…)
「ホンマ?じゃ、レジ行ってくるわ~」
機嫌よくレジに行ったお母ちゃん。そんなお母ちゃんのうしろ姿を見てほっと胸を撫で下ろす。それから、カゴの中にある本を元の場所に直しに行った。
📚️ 📚️ 📚️
【はずんで♥️LOVEボール⚾️】は、私にとってすごく大切な本で大好きなです。
本屋さんで買った後、何度も何度も繰り返し読みました。それは小口に手垢が着くくらい…。【はずんで♥️LOVEボール⚾️】は、私が思う理想の青春が沢山詰まってました。
私にとって高校生と言えば〈青春〉。
〈青春〉と言えば〈恋愛〉でした。
結婚する時、嫁入り道具の一つに【はずんで♥️LOVEボール⚾️】も持ってきて、本棚にしまいました。
確か、子供…美里が生まれた時に、息抜きを兼ねて気分転換に読んで、十代のキュンキュンする恋愛の世界に浸っていました。
そう言うたら、その後、【はずんで♥️LOVEボール⚾️】どうしたっけ…?
思い出そうてしても、全然思い出せへん…そうや!思い出すよりまず探してみよ!
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