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鮮やかに彩られた夜道を歩きながら、龍也は茉莉花の手をぎゅっと握った。
「もう、寂しい思いなんて絶対させませんから」
龍也の言葉に、茉莉花はきゅうっと胸が締め付けられる。
──大事すぎるくらい大事にされて、愛されることがこんなにも幸せなことなんだって、この人に出会って初めて知った。
あの時のあたしじゃ、きっと知り得なかった幸せ。
こんなにも胸が苦しくなるほど愛しいと思える感情を、これからも大事にしていきたい。
この人の隣に、ずっと居たい。
「あたしも、絶対幸せにしますからね」
もう夢なんかじゃない。
今の二人なら幸せな道を歩んでいける────。
もう一度、一から幸せを紡いでいこう。
One more【完】
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