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同い年で親友の藍音は同じ会社で働く同期だったのだが、とある事情により会社を辞めて引っ越し、現在は違う会社に勤めている。
そんな彼女には、実は10も年の離れた年下の彼氏がいて、その相手はなんと、かの有名な大企業・東城寺グループの総帥の孫である東城寺 琉架。
しかも彼は、これまた超有名企業の水上ホールディングス会長・水上 陽斗の異母弟でもある。
この二人が付き合うに至るまで、複雑な事情とか恋愛模様がいろいろあったが…まぁ、とにかく凄いし羨ましい!!その一言に尽きる。
今日はその藍音から、結婚が決まったという報告を受けたのだった。
「結婚…かぁ」
茉莉花が呟くと、悠多が顔を上げた。
「付き合ってるんだから結婚したっておかしくないだろ?」
「やだッ!うちの藍音はあげないっ!!」
「急に叫ぶな!ていうかお前の成瀬さんじゃねぇだろ」
「年下男め…許さん…!!」
「はいはい、寝言言いたいなら早く帰れ」
悠多は茉莉花の鞄を取り、それを渡して茉莉花を入口まで押し出す。
「ちょっと、押さないでよ!」
「こっちは明日の準備もしてから帰りたいんだよ。さっさと帰らねぇと片付かねぇだろ。ほら帰った帰った!」
悠多は言い切ると、完全に茉莉花を外に追い出して店の扉を閉めた。
「ちょっと!乱暴な男はモテないぞ!!バカーっ!!」
茉莉花は扉に向かってその一言をぶちまけ、ようやく踵を返して家路につく。
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