Blue

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都内の立地の良いビジネスホテルで私は生まれて初めて女性風俗を利用して、人気No. 1セラピスト『潮音(しおん)』という男の人を買った。 年は26才らしい。 緊張し過ぎて口から心臓が飛び出してしまうかと、ヒヤヒヤしながら指定された室内に入ったらその人は居た。 短い廊下のその先。 室内はカジュアルな内装で、清潔な大きなベッド前にその人は居て、私をみて穏やかに笑った。 白いシャツに黒のジーンズ。細身で高身長。 艶やかな黒髪をセンター分けにした前髪が、どことなく気だるげな印象。 月並みにいうと、若く美しい男性が居た。 緊張して扉の前から動けない私を見て──潮音さんは私に近寄り。 「初めまして。潮音です。今日はご指名ありがとうございます。事前アンケートにて『ユリ』さんがラベンダーの香りが好きだと言うことでラベンダーのお香を炊いたのですが、どうですか?」 「えっ、は。はい」 そう言われて初めて気がついた。 部屋にほのかにラベンダーのすっきりとしいて、どこかほんのりと甘い芳香が漂っていた。 まともにお香の感想も言えないでいると。 「初めは緊張しますよね。お気になさらないで下さい。では、これからセラピーを受ける前に、打ち合わせをするので部屋の奥にどうぞ」 部屋の中心。ベッドの前に案内されてどうぞと、ベッドの上に着席をすすめられた。
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