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インフォメーション側には、外国人の人がいた。そのため、私は喫茶店側で歩美さんに場所を教えてもらう。
地図を持ってきて、私の前に置く。だが、私の方を見て、聞いてきた。
「説明の前に、もう一回、お父さんに連絡してみたら?電話繋がったら、迎えに来てくれるんちゃうかな。一人やと不安やろ?」
確かに、歩美さんに場所を教えてもらっても、無事に辿り着けるかわからない。私はスマホを取り出し、電話をかける。すると、電話が繋がった。
『もしもし!麻耶、何回も連絡してくれたのに出られなくてごめんな。今、どこに居るんだ?』
繋がったことが嬉しくなり、泣きそうになる。
「あ、もしもしお父さん!今ね」
今いる場所が分からず、歩美さんを見ると、歩美さんは地図の上に指を乗せた。
「えっと、今、阪急三番街ってところの喫茶店」
『阪急三番街だな?喫茶店の名前、分かるか?』
「うん、喫茶インフォメーションってところ」
『喫茶インフォメーション!?分かったすぐ行くよ』
私の言った店名に驚くと、お父さんはすぐに電話を切った。
「お父さん来てくれるみたいやね」
「はい。何故かここを知ってそうな言い方でしたけど」
お父さんも前にお世話になったのかな?と、首を傾げ、そんなことを考える。
しばらく待つと、バタバタという足音が聞こえ振り向く。お父さんが息を切らせながら、お店に入ってきた。
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