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里の山咲く
あの里山に、山躑躅が咲く頃に
僕は帰るんだ
水をたたえたあの緑苗
泳ぐはカモの親子たち
朝焼け夕焼け色とりどりに
空を写して
風を写して
昨日の忘れ物を
探しに帰ろう
明日へ向かう
その為に
あの里山は昔も今も
季節を纏って、ずっとずっと
この胸底に
静かなる水をたたえて
ひたすらに
ただ一条の色を選べば
戻り行く景色の中に
ひとりですっくと立っている
その眼差しは
強く強く
どこまでも強く、強く
里山の山躑躅が咲く頃は
緑と青と
白と花
里山の水をたたえたその場所は
色とりどりの帰る場所
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