1.***

1/3
前へ
/185ページ
次へ

1.***

 背中についた爪の痕が、痛いのか熱いのかわからない。  僕に溺れている君があまりにも愛おしくて、少し深くまで抉ってしまった。  いっぱいいっぱいだって、わかっているよ。『もう挿入(はい)らない』だなんて、わざわざ声を絞り出さなくともわかってる。わかっていてシているのだから僕自身、意地が悪いと自覚している。
/185ページ

最初のコメントを投稿しよう!

120人が本棚に入れています
本棚に追加