あなたに知ってほしくて

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 家に帰り晩ご飯を食べて部屋に潜る。さっきの曲をスピーカーにして流す。間違えても好きにならない、の間違い、が現在進行形で起きてしまっている。ずっとずっと聞き続けてしまっている。ヤだな……。ぼんやりと思いながら、走り出した電車は急には止まれず、ノロノロ惰性で走っているように、彼の歌は流れ続けているのだった。  夢を見た。  もやもやした雲のような霧の中、私と誰かが話している。楽しそうに、楽しそうに、いつまでも話している。どこまでも続く道。二人は歩いて歩いて、夢だと気付いた私は、彼、が今日聞いていたダサいアイドルだと気付いた。  そこで目が覚めて、ベッドを抜け出し、洗面所へ向かう。  この人とならたとえ人生が終わっても、歩いて行けるんだ。夢の続きのように言葉が頭の中に浮かんできて、鏡を見るとやたらと悲しそうな表情の私が映っていて、何故か私は、泣きそうになってしまったのでした。
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