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「とってもうるさいよ! 分かってくれないの?」
「一ペン話してみなって」
あばよ、と手を振り、賢は行ってしまう。
「ひどいよ……」
私はエリィに近付く。
エリィは黒板消しクリーナーで、黒板消しを奇麗にしている。
何事かをブツブツ呟いている。
「毎日役職がんばる俺偉いやんー」
「ガクー」
私は気が抜けてしまう。
「あ? 何? ミル? どしたん?」
「え? ううん? 何でもないんだよ?」
「もしや俺が役職頑張ってるのを見ててくれるん? お前ケッコーいい子やんー」
ゾゾゾゾゾー。
「そそそそそんなことないよ?」
やはりこの男、取り扱い危険により排除しなきゃです!
「とってもうるさいよ?」
エリィはクリーナーを見て、
「あ、ごめん」
と言った。
「そうじゃないんだけど……」
「あ、そ? まぁ俺の勇姿見てな」
「上から目線のやな男、自分で自分が見えてない!」
「んなことないでー」
ケラケラ笑うこの男を見ながら、この男は本当に取扱危険だと確信した私だった。
「注意してあげてるんだよ!」
私の声は小さく届かなかったのか、エリィは笑い続けるのでした。
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