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プロローグ
この手紙がもし、奇跡的に読まれたとするならば、、、
もう、行きたくない、休みたい、学校なんか、、どうでもいい
横断歩道の真ん中で、私は踵を返し、たまたま目の前に停まったバスに乗り込んだ。
どうしよう、とうとうやってしまった。
今更ながら心臓が物凄い速さで拍動する。
これからどこへいこう。
どこでもいいからなるべく遠くへ行こう。
このバスの終点で降りた。
そこは海が見える町だった。
砂浜まで降りると、海風が強くなってスカートがひらひらと舞う。
痣だらけの太腿が見えてしまう。
でももう気にしなくてもいいんだ。
波打ち際までいくと、寄せては返す波の音が心地いい。
しばらくここにいよう。
座って海を眺めていた。
太陽ってこんなに眩しかったっけ?
空ってこんなに広かったっけ?
曇って、鳥って、木々って、、
普段目にもとめず、やり過ごしていたものがひとつひとつ噛み締めるように視覚を満たしていく。
自分がいるような、いないようなそんな気持ちになった。
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