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木って……。
そんな事って有るのか?
索敵眼が捕捉出来ないはずだ。
僕が索敵時に条件を絞った。大きく分けて三つ。
コチラに攻撃の意思がある者。動物で、昆虫類は除くだ。
当然動物のみなので、植物は対象外だ。
もしも森や山などならば大きな昆虫のモンスターがいてもおかしくない。でも、残念ながら人語を語るそんな器用な虫とは遭遇したことが無い。それにもし昆虫も含めてしまうと、大変な数になる。ここは自然公園で草は勿論のこと色んな花々や木々が植えられている。つまりはそれらの下は当然土なのだから、その中にどれだけの生物が生活しているかなど想像すればきりがない。
うげっ、ついつい何匹この自然の絨毯に居るか想像してしまった。足の速いのとか、足が物凄い数のだとか、一瞬頭中をよぎっただけでもゾワゾワする。ああ~~気持ち悪い!?
「何を急に頭の上で手をバタバタさせているのですかご主人様、蚊でもいましたか?」
「う、う……ん。まあ、そんなところ」
そんなことよりも、この目の前の木が話し掛けて来たんだよな。どんな生物でも長い年月を重ねると、特別な能力でも開花するのだろうか? 僕は辺りに人が居ないことを確認すると、改めてその大きな木に向かって話しかけることにした。とは言っても、何だか陰気臭い人間みたいで嫌だな。僕は緊張をほぐずため、軽く咳払いをしてから、言葉を発した。
「んん、あーあー、さっきから話し掛けて来てるのは、あなたで間違いないですかカウリさん?」
もちろん名前はなど知らない、しかしこの樹木の種類はカウリトゥリーだ。なので、人に話し掛けるように僕は名前みたいにそれを付けて呼んでみた。
「ほぉっほおっほっほっ、カウリさんとな。儂はカウリじゃが、カウリじゃないぞい」
「じゃあ、一体あなたは何なんですか?」
「儂か、儂の名前はパーーーーウロじゃーーーー」
地震っ!?
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