プロローグ2

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 今年で13歳になると言う事で、僕は謎の王都からの招待状を持って、王立アカデミーの試験へと望むこととなった。試験と言っても、僕の場合は何故か受けるフリだけで良い事があの手紙には記されていた。要は特待生だ。  しかし、あの学校で特待生になれるのは王族の者だけ、なので形式上試験は受ける必要がある。  あの時父様は反対したが、学費も生活費も全てタダと言う言葉に母様は瞳をキラキラさせ大喜び、送り主が大主教のオムニバス・キャバリエと知ると、敬虔な信者の父も折れざるはなかった。  しかし、何でそんな大物人物から僕に声が掛かったのだろうか?考えられる可能性としては、オートナリアの教会で出会ったあの司祭のフィアットさんが何か報告したとしか考えられない。  今日まで学園には貴族のエリートが集まるとのことで、その後毎日父からみっちりと剣術を、母からは魔法と魔槍術についてレクチャーをされたのだが、驚いた事に森の時僕が見せた力については一度も発現する事は無かった。  まあ、発現しなかったとしても僕には素質が有ったのか? 剣技もそれなりに身に付き、魔法も鑑定書には素質の記載が無かったにも拘らず、母より風と火の魔法の使い方を教わると、初期の雷属性の魔法も扱えるまでには成長していた。 「父様、いまの僕は剣士としてどれくらいの強さでしょうか?」 「う~ん、すまんメディウス。実は父にはこういう剣士基準と言うのが分からなかったりするのだ。それにお前の場合は、鑑定書に普通表示されるはずのものが全て表示されない、なので、アカデミーに入ってから剣士の鑑定をして貰いなさい」 「儂が思うに、メディウス坊ちゃまは剣士レベル4か3位じゃないでしょうか?」 「坊ちゃまって呼ぶのはやめてくださいよ。ジルスさん」 「いや、でもじゃな……今は此処の使用人でありまして……からして」 「別に普通にして貰って構わないですよ、ジルス殿」 「いえいえ、滅相もないですじゃ、アーネスハイド男爵様」  この会話を聞いて疑問に思った方も居るだろう。どうしてジルスさんがウチの使用人になったのか?  それについては、これから説明したいと思う。これから始まる僕の新たな冒険の幕開けと共に!?
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