ジャッジ

1/1
前へ
/12ページ
次へ

ジャッジ

「会場では、ほどよく受けていたが視聴者のジャッジはどうか?」 「運命を決めるのは視聴者のみんなだ。さァジャッジだ!」  MC陣がカメラ目線で指を差した。  ステージに設置されたモニターのカウントがグングン上昇していった。 「おおォッ。芸人ラッパーのジョーダンを抜くか?」  観客の注目も集まった。かなり際どい争いだ。 「ぬううゥ……」魔王もモニターを睨んだ。  会場も手拍子をして盛り上がっていった。 「タイムアァーーーーップッ」  MCがコールした。  モニターには一位のジョーダンにつぐカウントを表示した。惜しくも二位だ。 「ぬううゥ……」魔王は悔しそうに歯ぎしりをした。  ビーナスは無言でそっぽを向いたままだ。 「おおォ、惜しい。まァ、予選は今のところ二位通過ですね」  岡田が愛想笑いを浮かべた。 「ふぅん……」しかし魔王は不満顔だ。 「では、魔王&ビーナスでした。サンキュー」  真田も促すように手で示した。  こうして魔王&ビーナスのこの日の予選は幕を閉じた。  だがのちに、魔王が勝手に雷鳴などの特殊効果を使ったことでクレームがつき違反行為として失格になった。  
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加