11人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
うっかりさん
「なんだ。そりゃァ。どんだけ手に負えないんだよ。それから言うに事欠いて自分でうっかりさんって言うなよ!」
「吾輩はどさくさに紛れて魔界からの交換留学生として申請し小学校へ編入するのじゃァ!」
「なんだよ。どさくさに紛れてって?」
「どうじゃァ、ビーナスがひとり暮らしをすると言い張るなら、吾輩は小学校へ愛用のドラゴンを乗り付けてくれるわァ!」
「はァどんな愛用のドラゴンだよ。小学校にドラゴンを乗り付けるなッ。怒られるぞ!」
「なぜじゃァ。そうか、わかったぞォ。それが今、流行りのブラック校則か!」
「いやいや、流行りのブラック校則じゃなくても小学校にドラゴンで乗り付けると危ないだろう」
「大丈夫じゃァ。女、子供には噛みつかんようにしっかりとシツケをしてあるんじゃァ。何ひとつ心配いらん!」
「どこがだよ。心配だろうが。猛犬のドーベルマンどころじゃないんだ。少しは近所迷惑を考えろよ。ドラゴンを乗り回して小学校へ登校したらどうなると思ってるんだ!」
「大丈夫じゃ。吾輩のドラゴンは借りてきた子猫よりもおとなしい性格なんじゃ」
「どんなドラゴンだよ。借りてきた子猫よりもおとなしいって?」
「通り過ぎた村を次々と壊滅したとっても大人しいドラゴンじゃァ。決して近所迷惑などかけん!」
「どこが大人しいドラゴンなんだよ。通り過ぎた村を次々と壊滅するな。キングギドラか!」
「これでもまだひとり暮らしをすると申すのか。ビーナス?」
「あのねえェ……」
最初のコメントを投稿しよう!