ジャッジ

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ジャッジ

「もうジジーとは、やってられんわ」  ビーナスは裏拳でツッコんだ。  チャンチャン。  軽快な音楽でしめた。  こうして魔王&ビーナスのネタは終了した。 「ウッオオオォォォーーーー」  一部のアイドルオタクからスタンディングオベーションで絶賛された。  おそらくビーナスのアイドル性を見抜いたオタクなのだろう。めちゃくちゃな内容だったが、全体的には好評だったかもしれない。 「ハッハ、スッゲェな一部のオーディエンスからは絶賛じゃん」  MCの真田もビックリだ。 「でもお父さん。マジで、本当にその彼女と親娘(おやこ)なの?」  岡田は魔王に訊いた。とてもではないが信じられない。 「ああァ、吾輩に似て器量(きりょう)良しのベッピンさんじゃァ」  魔王は上から目線で応えた。 「どこがだよ。ジジーに似てたら絶望的だろうが」  すぐにビーナスはふて腐れた顔で反論した。 「アッハッハハッ」  会場が少し沸いた。 「グワッッカカッ、ビーナスは絶賛、反抗期の真っ只中なんじゃァ。この魔王でも手に負えん!」  高らかに笑ってみせた。その横でビーナスはそっぽを向いていた。 「いやいや、でもお嬢さんはマジで可愛らしいですよね?」 「当然じゃァ、女芸人ではトップクラスの美少女じゃァ」  また魔王は高らかに笑った。 「なんで、女芸人限定なんだよ」  すかさずビーナスがツッコミを入れた。 「まァまァ、では視聴者のジャッジを仰ぎましょうか?」  MC陣も(あわ)てて番組を進行した。 「会場ではほどよく受けていたが、視聴者のジャッジはどうか?」  
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