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ほーほー、ほーほー、
ほーほー、ほーほー、
丑三つ時の真夜中。
アナグマのシベルは、満月の月明かりに照らされた獣道をひとり歩いた。
「腹へったな・・・しかも僕はひとり。寂しいなあ・・・」
ざっ。ざっ。ざっ。ざっ。
獣道に響くのは、アナグマのシベルの足音だけ。
そして、遠くでフクロウの声が聞こえるだけ。
アナグマのシベルは、延々と孤独な獣道を歩き続けた。
ざっ。ざっ。ざっ。ざっ。
「寂しい・・・寂しい・・・寂しい・・・寂しい・・・」
アナグマのシベルは項垂れて歩いた。
「寂しい・・・寂しい・・・寂しい・・・寂しい・・・」
アナグマのシベルは延々と延々と歩き続ける度に、段々寂しさが募った。
「はぁ・・・」
アナグマのシベルは深いため息をついて、獣道の道端にへたり込んだ。
「僕って、何で何時もひとりなんだろ・・・?」
余りの寂しさに、アナグマのシベルに目に涙が溢れた。
「寂しい・・・寂しい・・・寂しい・・・寂しい・・・」
アナグマのシベルは孤独と空腹が耐えられなくなり、シクシクと獣道の片隅で泣いた。
「腹へったよ・・・寂しい・・・寂しい・・・寂しい・・・寂しい・・・」
ふと、アナグマのシベルは顔を上げて涙目で煌々獣道を照らす満月を見上げた。
・・・あの時の獣道も、満月だったな・・・
・・・母ちゃん・・・僕は・・・
・・・・・・
・・・・・・
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