17話 属性と特殊能力

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17話 属性と特殊能力

 魔物に襲われた村の復興はわずかな日数で完了し、課外授業も無事に終わった。そして、あたしとリンダは喜びに満ちた気持ちで中級クラスに進級した。と言うのも、このクラスも思ってた以上に地味な存在が多いことが分かったからだ。少し目立ってしまったけど、大人しく振る舞っていればモブキャラでクラスの一員として溶け込めるのではと、内心期待している。  そう──あたしは完全にバグってしまった。闇の王は、そのことに気づいている。彼がいつ排除の手を差し伸べるか分からない。だからこそ、控えめにして欺かなければ前世と同じ運命を辿るだろう。とにかく今は時間が必要なのだ。 「アリアナandリンダ! おもてなしするでえ!」 「おお、ガレスさん、よろしくな!」  ただ、心残りがある。アレク先生に会う機会が激減したのだ。その寂しさを紛らすためにも学園生活を充実させたいと思っていた。だけど……。 「おいっ! お前らだけのために態々説明するから死ぬ気で聞いとけよ! そしてしっかり覚えろよ、分かったか!」  ヒス女史にドヤされると、やっぱり初級クラスに戻りたくなる気持ちが湧いてくるんだよな~。  それは「属性と特殊能力」についての講義だった。ヒス女史が長々と黒板に書き込んでいたけれど、まったく覚えられない。とりあえずノートにメモして、後でリンダに教えてもらおう。  要約すると五つの属性、五つの特殊能力に関してだ。  ①火属性(呪文魔法)  破壊力や攻撃力が高く、敵に対する攻撃や物質の燃焼などに特化。山属性に強く、風属性には弱い。  ②風属性(呪文魔法)  素早さや機動力が高く、敵の攻撃を回避したり、素早い攻撃を行ったりすることに優れている。火属性に強く、山属性には弱い。  ③山属性(呪文魔法)  防御力や耐久力が高く、物理的な攻撃から身を守ったり、盾として働いたりする。風属性に強く、火属性には弱い。  ④雷属性  高い電撃や感電を利用した攻撃や、敵の動きを麻痺させる効果がある。一般的に風や山属性に対して有利な傾向。  ⑤氷属性  凍結や冷気を操り、敵の動きを鈍らせたり、攻撃を凍結させたりすることができる。一般的に火属性に対して有利な傾向。  ①実態魔法  心や精神を用いた特殊能力であり、物体の浮遊や遠隔攻撃、召喚、テレパシーなどが可能。主に攻撃で使用する。  ②治癒魔法(山属性)  傷や病気の回復を促進させたり、仲間の体力を回復させたりすることができる。主に回復や支援の役割を果たす。  ③転移魔法  自身や仲間を瞬時に別の場所に転送することができる。主に移動や戦術の補助に利用される。  ④転換魔法  物質の性質や形状を変化させることができる。例えば、石を水に変えたり、金属を木に変えたりすることが可能。  ⑤念力魔法  自身の能力や能力限界を超える力を引き出すことができる。例えば、力や速さの増強、感覚の強化、耐久力の向上などが含まれる。自身の身体能力を引き上げることで、戦闘力や行動能力を向上させることができる。 「まあ、リンダはおそらく山だろう。まだはっきりしないがな。これから能力を伸ばせばいい。それに治癒と念力の才もある」 「わー、山属性なんだー!」 「それでアリアナ。お前は一体なんなんだ? 火、風……それに精霊猫の召喚、つまり実態魔法も優れている。ったく、トロ臭いと思ったらすぐに行動するような軽快さも見せる。複合属性は他にもいるが、お前みたいなヤツは初めてでよくわからん!」  ヒス女史が怒ってる。わからんと言われても、それが金髪のあたしなんだけどな。ちなみに雷、氷属性も漏れなくついてるよ!
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