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鶴原さんは少し躊躇った様子をみせたものの、こちらに目礼して立ち上がり、襖を静かに閉めて出て行った。
部屋には私達二人だけになった。少しだけ気まずい沈黙が流れた後、それを破ったのは鶴原さんのお父様だった。
「…実は、君の事を少しばかり調べさせてもらった」
そう言って座敷机に差し出したのは、封筒に入った一通の書類だった。中身は身の上書で、生まれた場所や学歴といった事が簡単に記されていた。
「人を回して急いで取り寄せたものだ。…廉二が今日、連れてくるという女性がどんな人か気になってね」
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