13.本家に挨拶

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「―苦しい時も辛いときも寄り添い、助けあう。どちらかが上に立つんじゃなくて、対等であるべきだと思います。化粧品のことを話す時の廉二さんは、とても活き活きとしていて、楽しそうですし、こっちまでわくわくします」 「…ほう、そうかね」 「だから、私はそんな姿を見続けられるように微力ながらお力になりたいと思っているんです」 そう言った目の前のうら若い女性を、浩平はしばらく見つめていたが、やがて襖越しに声をかけていた。 「聞いたか。…廉二、入ってきなさい」 そう声をかけた後にゆっくりと襖が開き、やや決まりが悪そうな表情を浮かべた鶴原廉二本人が姿をみせた。
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