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《おまけ》日本酒禁止 ※性描写含みます
「しぃーのぉーぶぅー」
真っ赤っかになった顔で、先輩がおれの腕に抱きつく。
「ちゅーしようかぁー?」
嬉しそうに覗き込む潤んだ瞳に、俺は思わずゴクリと唾を飲み込んだ…………。
今日先輩は、ゼミの仲間との飲み会で少し前にやっと帰ってきたところだ……。
時刻は午前3時…………。
しかも─── 泥酔状態………………
潤んだ瞳がおれを見つめ……
本当はすぐにでもキスしたい。
押し倒したい。
先輩の──あの顔を…………。
けど───今はダメだ。
こんなに酔っ払って……飲み会で何も無かったのか、聞き出さなければならないからだ。
性欲魔人になってしまうおれは『アルコールは3杯まで』そう決められている。
しかし実は先輩も『外では日本酒は飲まない』そう約束していた。
理由はひとつ。日本酒に弱く、それを飲むことによって人が変わるから……
普段“今にも噛みつきそうな子犬”みたいな先輩が、ただの“人懐っこい可愛い子犬”のようになってしまうから。
しかも子犬のクセに発情期のおまけ付きときている……。
「しぃのぉぶぅ……ちゅうしよう?」
おれがキスしないもんだから、今度は身体に抱きつき甘えるようにねだる……
───めちゃくちゃ可愛い…………けどっ!流されたら負けだ…………
「……先輩?今日、日本酒飲みましたね……?」
つい探るような視線を向けてしまったおれから、先輩はすぐに視線を逸らした。
「………………のんでない……」
「…………飲みましたよね……?」
「……………………のんでないし…………」
飲んでなければ、それはそれで問題だ。
過去日本酒以外でこんな風になる先輩を見たことが無いからだ。
「………………誰かに……ちゅうしようって……言ってないですよね?」
「……言ってない…………ちゅうしたい……」
「…………ちゅうしたいんですか?」
「ちゅうしたい……」
「…………本当のこと言ったら、ちゅうします。日本酒飲みましたね?」
俺に抱きつき、拗ねるように見つめていた瞳が、突然涙で濡れだした……。
「───だって小林がぁー!日本酒のもうって言うからぁ……」
───あのクソ男………………
「それで───誰かにちゅうしようって言ってないですか!?」
「言ってない!!……しのぶと……ちゅうしたいって思ったから帰ってきたんだし…………」
大きな瞳からぽろぽろと涙を流す先輩が可愛くて…………。
おれは先輩を抱き上げ膝の上に乗せると、とりあえず……先輩の匂いを嗅ぐ。
首元、うなじ、腕……
瞳と頬を涙で濡らしながら「くすぐったい」そう言って笑う先輩に感じながらも……
他のヤツの匂いがしないか……入念に確かめる。
「───しのぶ…………ちゅうしよう?」
その言葉に返さず匂いを嗅ぎ続けるおれに、さすがに先輩もしびれを切らしたのか、おれの顔を両手で押さえ自分に引き寄せた。
「ちゅうッ!しぃよぉおッ!」
…………この可愛さに……勝てる奴がいたらお目にかかりたい…………
結局おれは……先輩の誘惑に勝てず、その甘えている唇を塞ぎ、我慢していた分熱い舌を求めた。
先輩も普段では考えられない程、甘く……それ以上に激しくおれの口の中を舐め回す。
そして部屋着のズボンからおれの昂りきったそれを出すと、手で扱き始めた。
「…………待っ……て…………光流…………」
いつもとは逆転した立ち位置が、妙に身体を熱くする……。
「───ぁッ…………ン…………」
思わず声を漏らすおれに、嬉しそうに笑い、首筋に胸に舌を這わせる光流が……
エロくて…………エロすぎて…………
「──しのぶのぉ……おっきいのぉ……俺に入りたいって……」
おれの耳を舐めながらそう囁き…………
「どーーーーんッ!!」
────え…………!?……
光流の口から発せられた擬音と共に、おれは肩を突き飛ばされ無理矢理倒された。
すると光流はさっさと自分の下を脱ぎ
「──おれの“ココ”も…………しのぶが……欲しいって……」
自分で解しながら、おれのそれを口で濡らしていく……。
ここまでの光流は……なかなか…………見たことが無くて…………
おれは言葉も発せられず……ただされるがままになっていた。
「…………きもひ…いい……?」
おれのを口に含み……上目遣いの瞳が……まだ微かに濡れている。
言葉が出ないおれは、1度だけ頷いた。
だって…………
一生懸命おれを気持ち良くしながら……
自分で自分を解かしている光流が…………
エロいわ……可愛いわ…………
もう……頭がパニックを起こしかけている……
「──ンん……」
荒い息遣いが、時々漏れる光流の声が何も考えられなくさせる。
───もうダメだ………入れたい…………
そう思うのと同時に光流がおれのモノを口から出した。
「……しのぶの…………入れたい……」
「──ちょッ…………光流……ローション……」
「いらなぁい」
────え…………あッ…………!……
嬉しそうにおれの身体に跨り……光流の柔らかく解された窪みが……ゆっくりとおれを呑み込んでいく……。
「────あッ!──ンッ…………」
「────ぁん…ンッッ…………ぃい…………」
ローションを足されないそれが、いつもよりキツく締め付け、光流の顔も微かに歪んでいる。
「……どうしよう…………しのぶ……ちょっと…………痛い……」
そう言いながらも腰を動かし、痛みで歪めた表情の中に……時々…陶酔したように目を閉じている。
「────ぃいよォ…………」
甘い声が……荒い息遣いが…………
痛みと……快感に……身を捩りながら、身体を動かす光流が…………
「───ダメッ……光流…………おれ……イきそう…………」
思わず光流の腰をグッと押さえた。
これ以上動かされたら……秒でイク…………。
「…………いいよ…しのぶ…………俺の中に…全部出して…………?」
小首を傾げ……これ以上無い程色っぽい瞳でおれを見下ろす光流に……頭の中で何かが弾け飛んだ……。
「…………俺…………昨夜……なんかした……?」
ベッドから起き上がることも出来ずにいる先輩が、笑顔を歪めて俺を見ている。
もう夕日も沈みかけ、窓の外は薄暗くなり始めている。
「………………覚えてないんですか……?」
あの後…………結局先輩は……おれの理性を全て奪い去り………
普段見ることの出来ない先輩と…………
先輩の意識が飛ぶまで……あんなことや…こんなことや………………
「………………えっと……飲み会で…………帰りたくなったのは…………覚えてるんだけど……」
「……………もう二度と、外で日本酒飲まないでくださいね」
おれの冷やかな視線に、先輩が“ゴクッ”と喉を鳴らした。
「…………あ………………はい…………」
おれのいないところで先輩があんな風になったら……
あんなに……妖艶で…………
あんなに……エロ可愛くて…………
そう思うだけで先輩をアパートから出したくなくなる……。
でもまさか……そういう訳にもいかず……。
「……先輩?……次からは飲み会の時、おれが送り迎えしますから」
「────え………………?」
「いいですね?」
「……あ…………」
「いいですよね……?」
「………………はい…………」
きっと……これでしばらくは大丈夫なハズだ。
けど………………家でなら…………2人きりでなら…………時々日本酒を飲もう……。
そう心に決め、おれは先輩にキスをした。
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