諦観

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諦観

『――ごめんなさい、藍良(あいら)さん。貴方の気持ちには応えられないわ。だって、私が好きなのは――』  人里離れた、ある広大な屋敷――その一室にて。  窓際のクレマチスが、優しく差し込む夕日に映えるある日のこと。  そう、あどけない笑顔で告げる可憐な少女。……まあ、返答なんて大方分かってはいたけれど。
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