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「お、美味しいね彰洋……」
咲の視線が泳いでいる。早くモーニングセットを食べきってこの場を離れてしまいたい。そんな思いにかられていると、二人組の会話が耳に飛び込んできた。
「だから兄貴、あの野郎は俺らが適切に処理しましたって」
「ちゃんと埋めたんだろうな?」
「もちろんっすよ。いつも通り粉々にして今頃道路のアスファルトになってますよ」
!!??
何という会話をしているのか、この二人組は……。しかし、今何て言った? 粉々にして道路のアスファルトに? 人間を? どういう事だ、どういう……。
そういえば、あの道は以前アスファルトの張替えをしていたよな。俺があの道に違和感を覚えたのはいつからだ? その頃からか? まさか……まさか……。
「だから絶対足は付かないですって、きちんと処理したんですから」
ああ、いっそこの場でこいつらを警察に通報したい。でも、下手に通報したら俺や咲の命が狙われるかもしれない。
それより何より気になるのは、あの道に本当にそんなものが混ざっているのかという事だ。もしそうなら、おれは毎日誰かの死体の上を歩いてるって事にならないか?
「彰洋、食べないの? 私もう全部食べちゃったよ?」
咲……お前、今の会話が聞こえてなかったのか? 確かに俺は耳が良い。そして咲はボーっとしているタイプの女の子だ。
「あ、あぁ。何だか食欲が無くて。もう帰るか!」
とりあえず俺はその場を離れる事にした。
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