はじめに

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はじめに

 この作品は、若くして震災で散った大正時代の俳人「富田木浦」をオマージュにて、キャラクターを作成しました。 「なりはひの紙魚と契りてはかなさよ」                  富田木浦(とみたもっぽ)  紙魚(しみ)とは、紙を食べる小さな銀色の虫のことです。  足の不自由な富田は、花街の貸本屋を細々と営みながらも俳句を詠みます。不自由な体、無学歴、貧乏、そして肺結核。四重苦に抗うように句作に励む富田でしたが、新井声風(あらいせいふう)と出会い、同人誌に迎えられ、彼の句を知る人が増えると同時に、『大正俳壇における石川啄木』とまで称され将来を嘱望されるように。  しかし、大正12年の震災で逃げ遅れた富田は二十六歳の短い生涯を終えます。  隅田川の堤防まで新井に背負われ逃げましたが、富田を背負って泳げないと判断した新井は、涙ながらに富田を背中から降ろしたのです。  富田の最新作は震災で焼かれてしまいました。  彼の句が散在してしまうことを恐れた新井は、人生の大半を費やして富田木浦の句の載った雑誌や同人誌を集め、編集し刊行したのです。  木浦の俳号は、歩きたい一心により自分で作った義足にちなんでいるそうです。 *参照Wikipedia インターネット俳句 歳時記他
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