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化物
バサッ、バサッ
熱を帯びた風が、二人に吹き付けた。
「な、なんだ? サウナか!?」
それはまるで、アツアツのサウナで、客に向かってタオルで熱風を送り込まれる風の様な熱風だった。
「熱がそこまで迫って……、え?」
バサバサ、バサバサ
その音の周期が徐々に短くなって、次の瞬間、その音を発する物体が、エリリカの目の前降り立った。
「ば、化物……!!」
真っ黒な塊が、エリリカの手を引く翔吾の頭上ではばたいていた。
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