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どこでまちがえた
佐藤奈美はいつもの仲間に薄暗い部屋で押し倒されていた。
それは、これまでになく惨めな気持ちで。
いつこんなことになったのだろう。
どこで道を間違えてしまったのだろう。
佐藤奈美は元々頭が良く、両親ともに弁護士だが、奈美には進路を強要することなく、好きなことをすればよいと言われていた。
高校もそれなりの進学校に入っていた。
小学校でも中学校でもクラス委員を必ずしていたし、高校に入ってからもこれまで通りに真面目にやっているつもりだった。
進学校でもあり、少々厳しい学校だったが、奈美はうまくやって行かれると思っていた。中学校にも友人と言えるような友人はいなかったし、高校でも同じようなものだろうと思っていた。
それに同じ中学校の友達はほとんどいなかった。
高校に入ってしばらくは中学校と同じように真面目に授業に専念し、宿題もこなして、進学校の中でも成績は上の方だった。
奈美のクラスには進学校には珍しく、遅刻したり、クォーターだからと髪の色が透けるような茶髪の女子がいた。久我麻美。彼女はなぜか奈美によく声をかけてきた。
いつの間にか、クラスの中で少し変わった毛色の久我麻美と仲良くなった奈美は、その頃から、これまでにしたことのない学校帰りの買い食いや、ゲームセンターやカラオケなどに誘われるようになり、最初はドキドキしながら、慣れてきてからは楽しんで校則を少しずつ破るようになっていった。
奈美には特に悪い事とも思えなかったし、やっと希望の進学校に入ったのだからすこし羽目を外しても良いのではないかと自分にも言い訳をしていた。
やがて、麻美のBFである俊と知り合い、その友達の蒼が奈美のBFになるまでに時間はかからなかった。
俊と蒼は近くの高校ではあったが、進学校には程遠く、どちらかというと親に言われて仕方がなく高校に行っている生徒が多い高校だった。
警察沙汰も多く、奈美はそう言った不良っぽい男子と一緒にいる事にも興味を感じた。
蒼と付き合い始めてからひと月ほど経った頃、奈美は両親とも共働きで留守だと言う学校の帰りに蒼の家に行き、蒼の部屋で巧みにリードされるがままにSEXをし、処女膜を蒼にささげた。
痛みはあったが、後悔はしていなかった。この後にあんなことが起こらなければ。
蒼に処女をささげた話を一週間ほどしてから麻美にしたその日、麻美に放課後誘われ、麻美のBFの俊の家に一緒に遊びに行った。
奈美は俊の事も麻美のBFなので知っているつもりだった。そして、自分のBFの蒼の事も、もちろん知っているつもりだった。
俊の部屋は思ったよりも薄暗く、タバコのにおいと、何か他の甘いようなにおいが充満していた。そして、なぜか大勢の男子が集まっていた。
「私、やっぱり、今日は、帰ろうかな・・」
奈美が何となく異変を感じて俊の部屋を出ようとした時、奈美の後ろから蒼が奈美を羽交い絞めにした。
「そんなこというなよ。せっかくみんなで集まったんだし。この前みたいに楽しもうぜ。」
「一応気ぃ使って、処女のときは俺だけにしてやったんだぜ!?」
奈美はそのまま蒼に押し倒され、数名の男子に徐々に制服を脱がされ、素っ裸にされた。制服は傷つけないように慎重に脱がされた。
そして、部屋にいた他の俊と蒼の友人であろう男子達から、次々と暴行を受けた。
まだ、一度しか男性を経験していない奈美には信じがたい経験だった。快感など全くなく、痛みと、自分の迂闊さに頭の中は真っ白になっていた。
自分のパンティを口に詰められ、手足を数名の男子がしっかりと抑え、数名の男子は正常位で次々と奈美の中に入り、勝手に動いて果てていく。一人で何度もしてくる奴もいた。泣いても誰も気にも留めなかった。
その中には俊も蒼もいた。
次にうつ伏せにされ、尻を持ち上げさせられ、後ろから責められた。流石に尻の穴までは犯されなかったが、何人の男子が通り過ぎたのか分からなかった。
奈美を犯している男子達は、あえぎ声や嘲笑のような声しか出さなかった。やはり、自分が悪いことをしている自覚はあるのだ。
麻美はといえば、押さえつけられはしていなかったが、やはり、何人もの男子とSEXをしていた。それは楽しそうに、奈美が泣きながらその部屋の男子に侵されるのを笑ってみながらSEXを楽しんでいた。
やがて、奈美が何の反応もしなくなったのがつまらなくなったのか、これ以上自分たちも文字通り精が尽きたのか、男子達は身支度を始めた。
奈美はぼろ雑巾のようになり、朦朧としていたが、誰も自分を抑えていないことに気づくと、口の中のパンティを取り、急いで身に着け、呆然としながらも制服を着始めた。
「今日の事、言ったらネットにばらまくからね。」
麻美は半裸のまま、自分のスマートフォンの画像を奈美に見せた。
正常位で犯されている時の奈美の尻と男子の男根がしっかりとはまった写真の向こうには奈美の顔もしっかりととらえられている。
「他の画像もあるから。あんたに最初にあった時から早くこの日が来るのを待っていたんだ。」
「あんたと同じ中学校の子があんたのこと憎いって。親は弁護士で金があって、それでいて進路は自由で。つんけんして、周囲の事なんてお構いなしだったって。」
「でもさ、あたしは奈美には友達ができないからだってわかったんだよね。」
「御立派な性格だもん。案の定あたしがちょっと優しくしたら面白い様に引っかかったね。」
「中学校の時みたいにご立派な性格を振りかざして My Wayを歩くべきだったね。」
「あとさ、これは親切に教えてあげるけど、あいつら避妊なんてしてくれてないからね。それに病気持ってるやつもいるかもしれないし、あんたのあそこ、大分裂けて血が出ていたから婦人科に行って処置してもらった方がいいと思うよ。」
「ま、高校生がこんな姿で産婦人科に行ったら、偉そうな弁護士の親には今度のことバレると思うけどね。だからって、ばらしたらネットだからね。」
そういうと、奈美の腕を持って俊の部屋から押し出すように追い出した。
奈美はフラフラと家に帰り、まだ帰宅していない両親には黙って、保険証を持って近所の女医さんがいる産婦人科に行った。
そこで、状況を把握した医師は急ぎ、局部の手当てと避妊の処置をしてくれた。その間に、母親に連絡が行ったらしく、病院に、母親が来た。
奈美は約束通り、母には何も言えなかった。ネットにあんな画像が流出したら生きていかれない。
奈美の両親は、弁護士であるが故、おおよその事をこれまでの経験から予測した。
奈美に起きたことを表立っては騒がなかった。今の日本の裁判では被害者のみが傷つくのである。
母の郷里にある寄宿学校に奈美を転校させた。
その後、奈美はもう30歳になるが、両親の言ったことしか信用できず、卒業した寄宿学校からの斡旋で就職した会社で事務をしながら両親が敷いてくれた道を歩いている。
両親が元気なうちは良いだろうが、その後奈美がどうするのかは誰かが道をつけてくれるのだろうか。それまでに奈美が自分の新しい道を見つけてくれることを切に願う。
【了】
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