ポカンのうなじ

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ポカンのうなじ

76fbbbe5-8b16-46ca-8654-08267d6d0e0d 「お前……意外に綺麗なうなじしてるな……」 そう言って、オレは思わず、親友のポカンのうなじを触ってしまった。 ポカンは、くすぐったそうに笑って、後ろ手にオレの手を払った。 「触るな、バカ」 オレは、すぐに手を引っ込めたが、ガサツで男っぽいポカンのうなじが、そこいらの可愛い女子より、綺麗だったことに、何故か動揺していた。 ポカンは、いつも、ガサツで、ボーっとしている。 だから、「ポカン」というあだ名が付いた。 オレとポカンは、仲がいい。 オレは、ポカンが好きだ。 ポカンは、オレのことが好きだろうか……。 いや、そういう意味じゃなくて! 友達としてだ! ドキドキ。 なんだか、胸が苦しい。 こ、これは、もしかして、恋なのか?! オレは、ポカンのうなじが綺麗だからといって、恋をしてしまったのか?! そんなオレを振り返って、ポカンが言った。 「おい、顔が赤くて、湿疹が出てるぞ」 「えっ?」 「お前、さっき、学食で、魚のフライ食っただろう?」 「ああ、アジフライな」 「いや、あれ、サバだってよ」 「えええっ?! オレ、サバ、アレルギーなんだ!」 「だからあ~、サバに当たってるって、お前」 オレは、体中が痒くなった。 なんだ……。 このドキドキは、アレルギーで苦しくなっただけだったのだった。 恋じゃなかった。(´▽`) ホッ おわり
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