1.素敵な人

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2日後の金曜日。 13時を回ったところで人事担当常務から電話が入り、役員室に向かう。 「永田です」 「どうぞ入って。悪かったね、突然」 「いえ」 「もうひとり来るから、少し待ってて」 「はい」 待っている間、企画中の研修についてアドバイスをもらっていると、ドアをノックする音がした。 「お、来た来た。入って」 ドアの方を振り返り、私は息を飲み込んだ。 失礼します、と言って入って来たのは・・・・空川さんだったから。 「永田さん、こんにちは」 「ん? 空川、もう顔見知りか?」 「ええ。一昨日、帰り際に挨拶だけですが」 「そうだったのか。実は、永田さんに頼みがあって来てもらったんだ」 「頼み・・ですか?」 「午後の私とのミーティングをリスケしてもらって・・・・空川を横浜オフィスに案内してもらえないだろうか?」 「はい・・・・承知しました。オフィス設備のご案内と、管理職メンバーとの顔合わせでよろしいでしょうか」 「うん、それで頼むよ。 終わったら直帰でいいから。空川も戻って来なくていいぞ。来週からよろしく」 「こちらこそ、よろしくお願いします」 空川さんはそう答え、私を伴って役員室を後にした。
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