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再会
病室には白い光が差し込んでいる。
昨晩大仕事をやり切ったモリーは、ベッドに腰かけて産着にくるまれた我が子をしっかりと抱いていた。
「本当に奥さんの予告通り『赤い癖っ毛でそばかすのある青い目の男の子』でしたね。いやぁ参った。最新のエコーでもそこまでは分かりませんよ」
出産に立ち会った医師はそう言って驚いていたが、僕たちにとっては分かりきったことだった。
モリーはにっこりと笑って赤ん坊を覗き込むと「おかえりなさい」 と声をかけた。 テットはうっすらと目を開ける。 夜空の星のように煌めくクリスタルブルーの瞳に僕らが写っている。
「When you wish upon a star Your dreams come true(あなたが星に願うとき夢はきっと叶う)――星は本当に私たちの願いをかなえてくれたわね」
モリーはテットから目を離さずに呟いた。
「もう穴が開くほど見つめても大丈夫だよな、テット」
僕の声に反応するように、テットは小さな手で僕の人差し指をギュッと握った。
「また会えて嬉しいよ」
僕たちは愛しい我が子のほほにキスをした。
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