おもいかたり

4/4
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
 自分の部屋。  居間のはしら時計が鳴っているのに気づいて、部屋の時計でかくにんすると四時だった。午後の四時。 「えぇっ。もう、こんな時間なんだ?」  学習づくえで考えごとをしていたぼくは、 いすにもたれてせのびした。  父さんのことも、男の子のことも気になっていた。言っていたことも気になった。  本家、読書、それに……チカラ? 後になって思えば引っかかる。  もう直ぐ新しい年だ。  ぼくは――どうしたい? ぼくは、どんな自分でいたいんだろう。  うぅん。  ……。  ま、いっか。考える時間はまだあるよ。  今はとりあえず、おふろをたかなきゃ。たのまれてはいないけど、ぼくがやる。この時期、今日みたいな天気だと温水器から出るのは、ほぼ水だ。水ぶろってわけにはいかないもんね。 「よぅし。たきつけを集めるぞ」  立ち上がって、部屋を出た。                (おわり)
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!