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自分の部屋。
居間のはしら時計が鳴っているのに気づいて、部屋の時計でかくにんすると四時だった。午後の四時。
「えぇっ。もう、こんな時間なんだ?」
学習づくえで考えごとをしていたぼくは、
いすにもたれてせのびした。
父さんのことも、男の子のことも気になっていた。言っていたことも気になった。
本家、読書、それに……チカラ? 後になって思えば引っかかる。
もう直ぐ新しい年だ。
ぼくは――どうしたい? ぼくは、どんな自分でいたいんだろう。
うぅん。
……。
ま、いっか。考える時間はまだあるよ。
今はとりあえず、おふろをたかなきゃ。たのまれてはいないけど、ぼくがやる。この時期、今日みたいな天気だと温水器から出るのは、ほぼ水だ。水ぶろってわけにはいかないもんね。
「よぅし。たきつけを集めるぞ」
立ち上がって、部屋を出た。
(おわり)
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