らくガキちょう

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 うちに帰ったら、さっそく七海にらくがきちょうをせがまれた。七海にらくがきちょうをわたしてやる。 「ありがとう。……あれっ?」  らくがきちょうをうけとった七海は、しきりに首をかしげる。らくがきちょうをめくってみたりして。 「お兄ちゃん。なにか、おかしなことはなかった?」 「どうかな? べつに、なにもなかったと思うけど」  七海のはんのうにおどろいた。でも、公園でのことは言わないでおくことにした。  気がすんだのか、しばらくすると七海はらくがきちょうになにかかきはじめた。  ぼくは、のぞこうとして――やめておいた。その場を、そっとはなれる。                (おわり)
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