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「家に帰ったらハーブティー淹れるよ。ちょっと休憩したら今日の夕飯は食べに行かない?お寿司とかどう?」
歩きながら実さんが言う。実さんは料理だけじゃなくて、ハーブティーやコーヒーも上手に作れてしまう。市販のティーバッグやインスタントコーヒーじゃなくて、専門店で買った茶葉や、まだ挽いていないコーヒー豆などを使って淹れてくれる。ハーブティーもコーヒーもすごくおいしいからすごく嬉しい。でも、私はお腹に手を当てて謝る。
「ごめんね、実さん。ハーブティーを飲みたいけど、今は飲めない茶葉もあるから先生に確認しないとちょっと無理かな。お寿司も今はナマモノはあんまりよくないから……」
「えっ?どうしたの?」
どこか体が悪いの?と心配そうに訊ねる実さんに、私は鞄の中からあるものを取り出し、それを実さんに「じゃ〜ん!」と言いながら見せる。それは、可愛らしい赤ちゃんの絵が描かれた母子手帳だ。実さんの目が大きく見開いていく。
「そ、それって……!」
「昨日、病院に行ってきたの。二ヶ月だって。男の子か女の子か、楽しみだね」
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