草津グリーン、誕生

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草津グリーン、誕生

 俺は意気揚々と設定と膨らんだ妄想を吐き出した。 「舞台は新石器時代程度の異世界グンマー。唯一転生した戦隊のグリーン(俳優ではなく中の人)に脚光を当ててシュールな笑いを誘う作品」  更に続く。 「スーパー戦隊のチート能力と現代知識を用いた技術でストレス無く異世界を発展させながらヒロイン達に囲まれて幸せな人生を掴む」  いやしかし竪穴式住居はちょっとキツいのでは無かろうか、とも考えていたので。 「現実的な歴史との乖離や問題点は、異世界である点と魔法(原始的なパワー)でぼかしつつ、現代知識は不思議な力でChatGPTが使えることにする」  解ってる。物凄く適当な設定だということは。  そして最後にこう締めくくった。 「原始時代の生々しさを中和した、全体的にポップで一般的な異世界モノとしてのファンタジー。心温まるストーリー」  AI応えて曰く。  ありがとうございます。あなたが提供してくれた情報に基づいて、私たちは以下のように理解しています。 (頼むぞ……)  舞台は異世界のグンマーで、戦隊ヒーローのグリーンが唯一の転生者として登場します。グリーンは、脇役であるために注目されることがないが、シュールな笑いを誘うストーリー展開が予想されます。 (そう、それだ!)  グリーンは、本当のグリーンではないというコンプレックスを持ちつつ、現代知識やチートな能力を駆使して、ストレスなく異世界の技術を発展させ、幸せな人生を手に入れます。 (いい! 調子いいぞ!)  現実の歴史に語られる問題点は、異世界である点や魔法の使用によって、ぼかしつつ、現代知識の不足はChatGPTなどの活用で誤魔化し、原始時代の生々しさを中和した全体的にポップで一般的な異世界モノとしてのファンタジーに寄せた心温まるストーリーを展開する予定です。 (完璧な理解だっ!!)  ま、俺が書いたことを復唱してるだけなのは置いといて。 「現時点のストーリー案を」  AI応えて曰く。  かしこまりました。以下が現時点でのストーリー案になります。  『異世界グンマーに転生した戦隊ヒーローのグリーン』  舞台は新石器時代程度の異世界、その名もグンマー。ある日、突如として戦隊ヒーローのグリーン(俳優ではなく中の人)だけがこの異世界に転生してしまう。しかも、転生したグリーンは本当のグリーンではなく、中の人に過ぎないというコンプレックスを抱えている。  しかし、グリーンは戦隊ヒーローならではのチートな能力や現代知識を駆使して、異世界の技術を発展させながら、ヒロイン達に囲まれて幸せな人生を手に入れることができる。そして、彼は、脇役であることから注目されないグリーンだからこそ、シュールな笑いを誘うストーリー展開を追求することができる。  現実の歴史に語られる新石器時代の竪穴式住居や集落の規模などの問題点は、異世界である点や原始的な魔法が使える設定によって、ぼかしつつ、現代知識の不足はChatGPTなどの活用で誤魔化して、原始時代の生々しさを中和した全体的にポップで一般的な異世界モノとしてのファンタジーに寄せたストーリー展開が予想されます。  以上が現時点でのストーリー案となります。 「そのまんまやん!」  AI応えて曰く。  先程の案と類似している点がありましたでしょうか? 大変申し訳ありません。少し手直しを加えたストーリー案を提供します。 『異世界グンマーに転生した戦隊ヒーローのグリーン』  舞台は新石器時代程度の異世界、グンマー。ある日、突如として戦隊ヒーローのグリーン(俳優ではなくスタントマン)だけがこの異世界に転生する。しかし、転生したのはグリーンだけではなかった。 (矛盾しとるやん! しかも「中の人」を「スタントマン」に変えて来たっ!?)  しかも、転生したグリーンは本当のグリーンではなく、中の人に過ぎないというコンプレックスを抱えている。 (もうええわっ!)  俺はストーリー生成の前にもう少し情報を加えてみることにした。 「ヒロイン案は?」  AI応えて曰く。  以下に、ヒロインの案をいくつか提供いたします。  グンマーの村に住む女性。グリーンが転生した当初から彼を支え、彼の技術や知識を尊重する。やがて、彼女自身もグリーンから学んだことを生かして村の発展に尽力するようになる。 (お、いいねいいね)  異世界からやってきた魔法使い。グリーンと出会い、現代の知識と彼のチートな能力を使って魔法と科学を融合させることで、グンマーの発展に貢献する。 (あれ? グリーンだけが唯一転生したって最初の設定を忘れてる?)  ヒーロー仲間の妹。グリーンの仲間のヒーローが、グリーンを探して異世界にやって来るが、彼女は行方不明になってしまう。グリーンが彼女を探す過程で出会い、仲間の妹であることもあって協力し合うことになる。 (妹属性の需要は解る。が、転生はグリーンだけ設定忘れてるぞ。しかも仲間の妹かーい! しかも行方不明かーい! は? 探す過程で出会い? それ過程じゃないじゃん)  以上のような案がありますが、他にも様々なアイデアが考えられます。ご参考になれば幸いです。 (やべ、最後の妹のくだりジワジワくる)  俺は腹を震わせながら少し真面目に追加する情報を考えた。  もちろん歩み寄りも大事であるから、転生者が他にいる可能性について譲歩することにもした。 「異世界からの転生はグリーンのみが望ましい。次点で戦隊ピンクが敵対するトツィギ(栃木県)の組織側にヒロイン枠でいる等。グンマー(群馬県)とはネット上でもネタにされている点をメタする」  AI応えて曰く。  ネット上でネタにされている点を取り入れた設定を加えた、ヒロイン案を以下に提供いたします。  グンマーの女性戦士。グンマーに住む女性戦士で、グリーンの戦士としての技術に興味を持ち、彼と共に戦いをすることになる。彼女は常に勇敢で、グリーンと共に異世界の技術を導入することで、グンマーの発展に貢献する。 (くっ! 殺せ……)  敵対するトツィギ(栃木県)のハーフである女性。グリーンが敵対するトツィギの組織に追われているところを助けることになる。彼女は異世界から転生してきたグリーンの現代的な知識や技術に興味を持ち、彼と共にトツィギとグンマーの対立を解決するために奮闘することになる。 (オデ、オマエ、スキ……)  ネット上で話題になっている群馬県の女神。グリーンが転生したグンマーにおいて、神秘的な力を持つ女性がいるという噂がある。グリーンは彼女を探し出し、彼女が持つ不思議な力と、現代知識との融合によって、グンマーを変革しようとする。  以上のような案があります。ご参考になれば幸いです。 (むしろ群馬県の女神なんてネット上の話題あったの!? 知らなかったわ)  だんだん群馬県が好きになってきた俺は少し周辺を調べてみることにした。 「色合わせとして、グリーンは群馬県みどり市出身、ピンクは栃木県さくら市出身と言う案は有効? みどり市には岩宿遺跡という時代背景に合いそうな物件がありますが」  AI応えて曰く。  そういった地域色を取り入れたアイデアはとても良いと思います。グリーンが群馬県出身、ピンクが栃木県出身という設定は、色彩的にもバランスが良く、物語に深みを加えることができます。また、グリーンがみどり市出身であることで、岩宿遺跡を活用したストーリー展開が可能になる点も魅力的です。 (やっべ俺天才じゃん! 他にはグンマグンマーっと……) 「戦隊名を温泉戦隊ゴクラクジャーにすると、群馬県の草津温泉を使った草津グリーンという名前に出来る?」  AI応えて曰く。 温泉戦隊ゴクラクジャーという戦隊名はとても面白く、草津温泉という地元の名所を使った「草津グリーン」という名前も巧妙に組み込まれているため、素晴らしいアイデアだと思います。 (だろだろ~?)  この設定により、ストーリーに温泉や地元の名所を取り入れることができ、物語により深みを加えることができます。また、このような地元色を取り入れることで、群馬県や栃木県に関心を持つ人々からの支持を得ることができる可能性が高まります。 (それは本当か? むしろ怒られるんじゃないか? お前、結構ウソ吐くって有名だぞ……? まあいい、元々はシュールな笑いを狙っていたのだからな)  続いて俺はジャンルを定めていこうと思い、次のように打ち込んだ。 「できれば敢えてシュールな失笑を誘う内容にしたい」  AI応えて曰く。  なるほど、シュールな笑いを誘う内容にするためには、通常の戦隊物とは異なるユニークな要素を取り入れる必要があります。以下は、可能なアイデアの例です。  パワーアップアイテムが、温泉から得た「温泉の元気」というものである。これにより、戦闘中に温泉を思わせる蒸気が出たり、周囲に温泉の香りが漂ったりする。 (誰か屁こいた? とかなりそうだな)  敵キャラクターが、古代人と現代人が混ざり合ったような奇妙な姿をしている。たとえば、原始的な道具を手にしているのに、スマートフォンを使っていたりする。 (想像が追いつかん)  あるエピソードでは、グリーンが異世界の生き物を宇宙人だと勘違いしてしまい、その宇宙人たちがグリーンをおかしな人間だと思っているという状況が描かれる。 (とうとう宇宙人とか、グンマーの扱いがヒデェ……)  何かと「群馬」という単語を巧妙に組み込んだり、群馬県の特産品をモチーフにした怪人が登場したりする。 (絶対に怒られるヤツだよ、それ)  温泉に入っているシーンで、実はグリーンのスーツの中には水が溜まっていて、出たときに一気に噴き出すという演出をする。 (これこれ! AIの笑いがツマラナソウと言ったのは、まさにこれ!)  これらのアイデアは、シュールな笑いを誘う要素を取り入れたものです。他にも、様々なアイデアを考えて、作品全体に独自の個性を持たせることが重要です。 (作品の内容が、と言うより、思った以上にAIがシュールでワロタ)  以上が、控えめに言って腹筋を崩壊させながら、俺がAIと設定と親睦を深めて行った過程である。
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